北九州市立八幡病院 DMAT  ACTIVITY REPORT

北九州市立八幡病院 DMAT隊員による活動記録です。

平成28年3月、訓練・研修報告

以下の訓練・研修に参加させて頂きましたので報告します。

 

 

 

3月3日(木)リーガロイヤルホテル小倉で北九州市消防局、福岡県警察と協働し、爆発物テロを想定した消防演習に参加してきました。

f:id:dmat-yahatahp:20160303094053j:plain今回の訓練では、5月に行われるG7北九州エネルギー大臣会合に向けて、有事の際にそれぞれの関係機関が担うべき役割をいかに遂行していくのかという確認にもなりました。

今回の訓練は、ホテルのワンフロアが爆破による被害を受けたという想定でとり行われました。

警察による爆発物の確認・撤去作業や、消防によるハシゴ車を用いた救助作業など、普段見ることのできない作業を間近で見ることができました。

当院は、爆破により被害を受けた傷病者十数名の医療救護活動の要請を受け、DMAT1隊で出動し、消防と連携してトリアージ・トリートメントを行いました。

このDMAT活動ブログを見て下さっている方々は災害医療に携わる関係者が少なく無いと存じます。

災害医療の目標は「防ぎ得た災害死を減らすこと」、「限られた資源で最大多数の傷病者の命を救うこと」にあります。

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しかし、医療のニーズが医療資源を上回る災害現場ではその役割を果たすことは決して容易ではありません。それぞれの機関が同一の目標を持ってチームワークを発揮していくことが重要だと考えています。

今回の訓練では、関係機関との協働、それぞれの役割を再認識する良い機会であったと感じました。

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この様な訓練を繰り返し行うことで、関係機関と顔の見える関係を構築し、チームワークの向上を図っていければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 福岡県医師会災害医療研修

 

3月6日(日)福岡県医師会館で行われた災害医療研修に参加してきました。

当院からは、伊藤副院長が講師として参加した他、インストラクターとして井上医師、アシスタントとして、看護部・薬剤部から3名が参加しました。

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トリアージ(START・PAT)の方法や考え方に加え、傷病者集積所・救護所のトリアージの違いなどの講義・演習を行いました。

実際の災害現場もそうですが、演習とは言え、限られた時間で最大多数の傷病者の命を救う為に何が出来るのか、何をしなければならないのか、いつも考えさせられます。講義を受ける側に座っていた時から何年たってもずっと変わらず悩まされています。

しかし、災害現場で悩んで何も出来ないことは、救うことの出来る傷病者の数を減らしてしまう可能性に繋がります。

「明らかに腹部の切創があり、腸が体外に出ているような患者が歩いていたら緑タグでいいのか?」数年前に受講者の方からこんな質問を受けました。

私はその質問にすぐに答えることが出来ませんでした。

その時、ある先生に相談したら、「トリアージは何度も繰り返し行われるのだから、悩む時間を使うくらいなら先に進め」とご指導を受けました。

未だに答えは見いだせておりません。できればそんな状況にお会いしたくないとも考えています。

ですが、ご指導の通り、悩み立ち止まることは次に運ばれてくる傷病者の方の命に関わることだということは分かります。

災害医療に携わる医療従事者の目標は皆同じです。

「限られた資源で最大多数の傷病者を救うこと」

同じ目標を持っています。

私たちに出来ることは、全ての傷病者が防ぎ得た災害死を来さないよう、最善をつくすことです。

今後とも訓練・研修に積極的に参加し、実働に備えていきたいと思います。

 

北九州市立八幡病院 日本DMAT業務調整員 角田